人口統計

東京の昼間人口と夜間人口を区別に並べると、街の機能差が浮き出る

公開: 2026-05-19

「街の用途」を表す指標

昼夜間人口比率は、夜間人口(居住者)を100としたときの昼間人口(通勤・通学者を含む実在人口)の比率です。100より大きければ流入超過(業務集積地)、100より小さければ流出超過(ベッドタウン)。

国勢調査(2020年)のデータをベースに、東京23区を並べると、機能差がはっきり見えます。

[INSERT_UNIQUE_DATA: 23区別の昼夜間人口比率ランキング]

ランキング上位: 業務集積

順位 昼夜間人口比率(概算)
1位 千代田区 約1,460
2位 中央区 約460
3位 港区 約390
4位 渋谷区 約240
5位 新宿区 約230

千代田区の1,460は、住民約7万人に対して、昼間は約100万人が滞在することを意味します。皇居・霞が関・大手町・丸の内が集中するエリアの特殊性が、この数字に表れています。

ランキング下位: ベッドタウン

順位 昼夜間人口比率(概算)
最下位 練馬区 約83
下位 葛飾区 約84
下位 江戸川区 約83
下位 板橋区 約87

下位は城東・城北の住宅エリア。夜間人口の15〜17%が日中、他区へ移動しています。これは都心への通勤・通学が中心の構造を表しています。

ベッドタウンと業務集積地のローカル需要

この指標は、ローカルビジネスの設計に直接効きます。

業務集積地での需要

ベッドタウンでの需要

同じ「東京23区」でも、立地ジャンルが違うエリアでは、まったく違う業種が成立します。

都市計画の指標として

昼夜間人口比率は、自治体の都市計画にとっても重要な指標です。

業務集積地区: 平日昼間の防災対応(帰宅困難者), 駅前の混雑緩和 ベッドタウン: 高齢化対応, 地域コミュニティ施設, 子育て支援

国勢調査のデータをベースに、自治体は中長期計画を策定しています。住民として暮らすうえでも、自分の住む区がどのカテゴリに属するかを知っておくと、行政サービスの方向性が読みやすくなります。

元データへのアクセス

本記事は、総務省「国勢調査」(直近2020年)の昼夜間人口比率を独自集計したものです。原典は e-Stat で公開されており、市区町村レベルまでドリルダウン可能です。

次回の国勢調査は2025年実施・2026年公表予定。最新値での再集計は、公表後に行う想定です。

5年ごとの定点観測

昼夜間人口比率は5年ごとに更新されます。コロナ禍を挟んだ2020年調査の値には、リモートワーク普及の影響が一部反映されている可能性があります。

2025年調査の結果が出れば、リモートワーク定着後の構造が、より明確に見える可能性があります。

立地判断に使うときの注意

この指標は便利ですが、単独で使うと判断を誤ります。

データを「単独で見る」のではなく「複数指標を重ねる」のが、ローカル分析の基本です。

次へ

次回は同じデータで、横浜市・川崎市・さいたま市などの東京圏周辺都市の昼夜間人口比率を比較します。

立地分析のデータが必要な方へ

市区町村別の昼夜間人口比率と、業種別事業所の組み合わせ分析もご相談ください。

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